デスマーチの要因になりそうな現象や組織としてダメな部分についてユニークな名前で紹介している本です。
デマルコ先生を含むアトランティックシステムギルド社の面々による共同執筆。
アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン
全部で86のパターンが収録されており、皮肉ったパターンあり、良い事例・悪い事例の比較パターンありでデスマーチ経験者には楽しめること間違い無しです。
いくつかのパターンを私の経験と共に紹介です。
「アドレナリンジャンキー」「スピード勝負」「死んだ魚」あたりは他の人も紹介しているのであえてはずしてみました。
幸福礼賛会議
自分に求められているのは意見を言うことではない、賛同することだけと感じたら、まさにこれと同じことが起きている。幸福礼賛会議へようこそ。
意見は求めてなくて「決まったからやれ」の会議多くないですか?
幾度と無く経験してます。通達であればメールにしろよと思うのですが会議の形態をとって同意の形にしたいらしい。
信者
たいていのプロセスの教科書には、その手法が何でも使えるわけではないときちんと注意書きされているが、信者はこうした注意を無視するか、たいてい最後の方にある注意書きのページまでは読まないかのどちらかである。
技術やプロセスに妄信してる人。良いのはわかっているんだけど融通が利かないので困ったちゃんになります。
テンプレートのマスタとか作る人も自分の作品の信者になりがち。
これは気をつけないと自分も陥ったりしてるので注意。
残業に見る予兆
うーん、期日に遅れた場合、一生懸命残業しているところをみんなが見ていれば、誰にも非難されないだろうと思うかもしれませんね。
説明不要。まさに引用そのままが個人じゃなくてチーム単位で蔓延する。
サイダーハウス・ルール
サイダーハウス・ルールの問題は、自分はサイダーハウスで暮らさず、そうする気もない人間が、そこに暮らす人びとのルールをつくっていることだ
「じゃあ、おまえやってみろよ」と言いたくなるルールは、他の部署が作ったルール。
これもいろんな現場で体験してる。しかるべき人がちゃんと戦わないと現場に皺寄せが・・・
多いのでこれくらいにしときます。その他のパターンも充分自分の経験と多々一致します。
残念ながらこの本を読んでも具体的にどうすべきかは自分で考えるしかありません。
単純に考えれば悪いパターンを見分けることができるし、その逆を行うことが可能かもしれません。
良いパターンなら真似ればいいのです。言うは易しなんですけどね:p
デマルコ本がお好きの方には是非読んで頂きたい一冊です。